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ばねに働く力

問:自然の長さが10cmのばねに質量100gのおもりをつるしたところ、ばね全体の長さが30cmになってつりあった。このときの弾性力F とばね定数k を求めよ。

まずは基本的に力の発見法が正しいかどうか分かりませんので、まだ物理のページは作っていないのですが、力の発見方法へ飛びますか「生物」の「浸透圧」についてのページに簡単に「力の発見方法」を記しておきましたので、そちらをご覧下さい。

次に、各力の名称を正しく認識されているかという問題があります。まず弾性力ですが、これはばねに働く力のことを指します。ですから、名無しさんが学ばれた形ですと

$\displaystyle F=kx$ (1)

で表される$ kx$というものが弾性力になります。つまりばね定数:$ k$ばねの伸び(縮み)量:$ x$が分かれば弾性力はすぐに求まります。

では今回の問題を考えて見ましょう。

以下にばねのばね定数を$ k$[N/m]とし、ばねの伸びを一般量の$ x$[m]、そしてばねにつるす小物体の質量を$ m$[kg]として図を示します。

自然長のばね 小球を付けたばね
図1:何も付けないとき
図2:小球を付けたとき

1は自然長の状態で図2は小物体を付けた状態を表します。ではこの図2において小物体に働く力を全て図示するとどうなるでしょうか?「生物」の「浸透圧」の「注目物体から見える力へ飛びますか?注目物体から見える力」のページでもご説明しましたが

図 3: 小球から見える力
\includegraphics[width = .35\textwidth]{p3.eps}

まずは接触点を探すんでしたね。小物体に接触しているのは上部のばねのみですから、ばねからどちら向きに力が小物体に及ぼされているかを考えればよいわけです。上向きに$ kx$[N]となります。ではこれでもう接触点は無いですから終わりかと言いますとそうではありません。例外的に接触しなくても働く力で「重力」がありますね。小物体の重心から下向きに重力$ mg$[N]と書き込みましょう。そうすると図3のようになります。

力はこれで全てです。小物体は力がつり合って静止しているわけですからあとは力のつり合いを解けばよいわけです。

$\displaystyle mg=kx$ (2)


式(2)を解くわけですが、あえて注意するとしたら高校物理で扱う基本単位系はMKSA単位系でMは[ $ \displaystyle \mathop{\mbox{m}}^{\mbox{\tiny メートル}}$]、Kは[ $ \displaystyle \mathop{\mbox{kg}}^{\mbox{\tiny キログラム}}$]、Sは[ $ \displaystyle \mathop{\mbox{s}}^{\mbox{\tiny セカンド}}$]、そしてAが[ $ \displaystyle \mathop{\mbox{A}}^{\mbox{\tiny アンペア}}$]を示します。ですから、弾性力や重力を表す$ kx$mgも当然MKSA単位系を用いた表記で表されていますので単位をそろえなくてはなりません。

問題文では長さの単位が[cm]になっていますので、ばねの伸びは20[cm]$ =$0.2[m]で、小球の質量は$ m=$100[g]$ =$0.1[kg]ですからまずは$ k$から求めましょうか。式(2)に各値を代入して

$\displaystyle 0.1\times g=0.2\times k$ (3)

式(3)より$ g=9.8$[m/s$ ^2$]であるとすると、$ k$が4.9[N/m]と求まります。あとは弾性力ですが最初に言いましたように$ kx$のことです。ですから式(2)より弾性力は$ mg$と等価ということになります。ですから別に式(3)で求めた$ k$$ x$を代入してもいいですが、式(2)の時点で弾性力は

$\displaystyle kx$ $\displaystyle = mg$    
  $\displaystyle = 0.1\times 9.8$    
  $\displaystyle = 9.8\times10^{-1}$   [N] (4)

となります。

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Copyright (C) F_Master All rights reserved. 更新 Wednesday, 02.11.2011 0:36 am

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