F _MASTER'S EYE

力学

力に関連する事項

さて、折角摩擦力も出てきたことですし、本当はもう少し先で色んな種類の力が出たあとでこの「力のつり合い」に関して語ろうと思っていたのですが、ここで先に語っておいて後々ご紹介する色んな種類の力が出てきたときに「あぁ、こういう力もあるのか〜」と理解してもらうのも一つの手だなぁと思いましたので、あえてここで「力のつり合い」をご説明致します。



力のつり合い

まずは力に関連する項目の確認から。

  • 力の発生場所は接触点。例外的に重力は接触していなくても働く。
  • 物体に力が働くときは例外なく「作用・反作用の法則」にのっとって力が働く。つまり必ず大きさが同じで逆方向の力があるということ。
  • 注目物体に見える力は必ずその物体が受けている力のみ。いくら作用・反作用の力を確認出来るからと言って、相手に自分が及ぼす力を見てはいけない!

でした。これは大丈夫ですよね?もし分からなければ、「力とはどこに発生するのか」のページから見直してみてください。

さて、力が働くとどうなるのでしょうか?これに関しては少々「力とはどこに発生するのか」というページで触れましたが…

図 1: 物体に加えた力
物体に加えた力

力の発生場所に飛びますか?そう、物体が動くんでした。

図 2: 物体が動く
物体が動く

2をご覧ください。物体の上に星をまとった矢印がありますね。今後はコレが加速度を表す矢印になります今回は関係ありませんが…。このように物体に力を加えると、物体が加速度運動をし始めます。

ではこの運動をさせないためには、図1の物体に対してどの方向にどれくらいの大きさの力を加えなくてはならないでしょうか?

力はベクトル量ですね。方向と大きさを持つわけです。ですからちょうど同じ大きさ逆方向の力を加えてあげると物体は運動しないわけです。実際は力がつり合っていても等速度運動はできますが、まだそれは考えなくていいです。今図1の物体には軸方向へ$ F$[N]の力がかかっていますから、それと同じ大きさで向きが逆の大きさの力$ F'$[N]を加えてあげましょう。

図 3: 物体を止める
物体を止める

$\displaystyle F'=F$ (1)

つまり式(1)のように表される$ F'$[N]の大きさの力を軸の負方向へ加えると、物体に働く力は$ x$軸方向においてつり合っており、物体は動けずに止まっているわけです。

逆に言うと「静止している物体に働く力は、その静止している方向に関してはつり合っている」わけです。この言い方には多少の裏を含みます。

  • これに関しては「運動方程式を利用した物体の運動の理解」のページで説明。「力がつり合っているなら静止している」と言っているわけではない。力がつり合っていても等速度運動をしている可能性がある。
  • その止まっている方向に関してとは、例えば図1において$ x$軸方向へ運動している物体も、$ x$軸と垂直な面x軸と垂直な面のことを鉛直面と言う。鉛直とは重力の働く方向のこと。に対して物体は静止している。だから、その方向に働いている力(垂直抗力$ N$[N]と重力$ mg$[N])はつり合っている。

ですから、図1に関しても鉛直方向を見てみますと物体は静止していますから、物体に働く力を水平方向($ x$軸方向)と鉛直方向に関して全て描いてみますと

図 4: 鉛直方向の運動は静止
鉛直方向の運動は静止

となります。水平方向には力がつり合ってないから運動しています。しかし、鉛直方向では力がつり合っているから静止しているんですね。(逆に言うと鉛直方向へ運動していないから力がつり合っているとわかるわけです。)ですから

$\displaystyle N=mg$ (2)

となります。

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Copyright (C) F_Master All rights reserved. 更新 Monday, 21.05.2012 10:28 pm

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