F _MASTER'S EYE

力学

運動方程式を立てる意味

寄り道してしまいましたが、本題の運動方程式に戻りましょう。実際の物体の運動に適用できる運動方程式ですが、受験にはどのようなタイミングで立てるべき式なのでしょうか?

あまり意識していないかも知れませんが、基本的に運動方程式は加速度を求めたいときに使います。

式がma=Fですから加速度aと質量mさえ分かれば力Fが求まりますね。でも受験においてはやはり加速度を求める方でしょう!当然、それ以外で加速度が与えられた状態で、物体にかかっている力を求めるなどの場面でも運動方程式は使えますが、やはり王道は加速度を求めたいときとなります。

加速度が求まって何がうれしいの?等と思っている方もいらっしゃるでしょう。でもうれしいですよ?だって、力学の基本3公式が使えるじゃないですか!

$\displaystyle v$ $\displaystyle = v_0 + at$ (4)
$\displaystyle x$ $\displaystyle = v_0t+\frac{1}{2}at^2$ (5)
$\displaystyle v^2 - v_0^2$ $\displaystyle = 2ax$ (6)

式(6)は式(4)、式(5)から$ t$を消去した式でしたね。ここでこれらの式を良くご覧下さい。全てに加速度$ a$が存在しますね。つまりこれら式(4)、(5)、(6)を用いるときは必ず$ a$が必要ということになります。



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加速度を求めるパターン

この$ a$を求めるオーソドックスパターンが運動方程式になるわけです。ここでこの加速度$ a$を求めるパターンとして代表的なものでもまとめてみましょうか。

  • 運動方程式を用いる
  • 加速度の定義式から求める
  • v-tグラフから求める
  • 3公式から逆に求める
  • (力学2の分野で)単振動の式から求める

こんなところでしょうか。そして重要度としては最初の「運動方程式から」が一番でしょう。それくらい大事な式です。

運動方程式を立てるのは「加速度を求めたいから」というイメージは何となくわかってきたと思います。そこで、この運動方程式をもう一度見直してみましょう。$ ma=F$となっています。つまりこの運動方程式を立てて何かの値を求めるためには、最低2変数($ m$$ a$$ F$のうちのいづれか2つ)が分かってないといけないのです。そうしないと残りの1数の値が、式から一意に取り出せません。これはちゃんと意識しておいてください。

こうして求めた加速度を基本3公式に代入して、$ t$秒後の物体の位置だったり、$ t$秒後の物体の速度だったりが求まります。この「加速度を求めたいから運動方程式を使う」というイメージは必ず覚えておいてください。

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Copyright (C) F_Master All rights reserved. 更新 Monday, 21.05.2012 10:20 pm

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